HOME ≫ COMPLIANCE ≫ よくある課題と対策
コンプライアンス
よくある課題と対策
※ 2020年1月現在の情報です。
◆「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則第6条第1項第1号チ・リ・ヌ(平成30年11月30日公布、令和2年4月1日施行分より)
<本人確認書類の郵送による取引時確認方法>
Q 本人確認書類の郵送により取引時確認を行う場合、今回の改正によりどのような影響があるのでしょうか。 |
A≪本人確認書類の受入れ方の変更≫
顧客から本人確認書類の送付を受け、当該顧客の住居に宛て転送不要郵便物を送付することにより取引時確認を行う場合、本人確認書類の受入れ方が2020年4月1日より厳格化されます。
◎法改正前の本人確認書類の受入れ方は次のとおりです。
顧客から本人確認書類の送付を受け、当該顧客の住居に宛て転送不要郵便物を送付することにより取引時確認を行う場合、本人確認書類の受入れ方が2020年4月1日より厳格化されます。
◎法改正前の本人確認書類の受入れ方は次のとおりです。
- 本人確認書類(種類限定なし)またはその写しの送付を受ける
- 本人確認書類の原本(住民票の写し、印鑑登録証明書など)の送付を受ける
- 本人確認書類(現在の住居記載のあるもの)の写し2種類の送付を受ける
- 本人確認書類の写し(現在の住居記載のあるもの)に加え、補完書類(同居者のものも可)の原本または写しの送付を受ける(※本人確認書類に現在の住居記載がない場合、補完書類は2種類必要(うち1種類は同居者ものは不可))
<証券会社の対応>
Q 郵送により本人確認書類を受け付ける場合、証券会社は今回の法改正に必ず対応しなければならないのでしょうか。 |
A≪対応が迫られる場合≫
改正後の法律施行規則第6条第1項第1号ヌ(2)によると、顧客から個人番号の提供を受けている場合は、引き続き改正前の取引時確認が可能です。
通常の口座開設時の取引時確認では、証券会社は同時に顧客から個人番号の告知も受けるため、改正前の方法を引き続き使えるということです。
ただし、次のいずれかの場合に該当する際は、改正後の取引時確認方法を取らなければなりません。
◎個人番号を届け出ていない既存顧客につき、
改正後の法律施行規則第6条第1項第1号ヌ(2)によると、顧客から個人番号の提供を受けている場合は、引き続き改正前の取引時確認が可能です。
通常の口座開設時の取引時確認では、証券会社は同時に顧客から個人番号の告知も受けるため、改正前の方法を引き続き使えるということです。
ただし、次のいずれかの場合に該当する際は、改正後の取引時確認方法を取らなければなりません。
◎個人番号を届け出ていない既存顧客につき、
- 厳格な顧客管理の対象になった場合
- 顧客管理を行う上で特別の注意を要する取引
- 住所変更等、改めて取引時確認が必要になった場合
- 顧客等と異なる自然人をいわゆる取引代理人等とする場合
- 法人顧客の口座開設における代表者等の取引時確認
◆「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則第6条第1項第1号ホ・ヘ・ト(平成30年11月30日公布・施行分)」より
<顧客等の本人特定事項の確認方法>
Q 本人確認用画像情報の撮影時に使用する「特定事業者が提供するソフトウェア」に求められる性能等はどのようなものでしょうか。また撮影時の注意点等はありますか。 |
A≪使用するソフトウェアに関する要件≫
新たな本人確認方法に用いられるソフトウェアについて、以下の条件を満たさない場合、行政監督上の措置対象となる恐れがあります。
◎ソフトウェアの機能
顧客の容貌・本人確認書類の撮影にあたっては、以下の条件を担保しなければ、本人確認の不備として、事業者側の責任を問われる恐れがあります。
◎本人確認用画像情報のファイル形態、質
新たな本人確認方法に用いられるソフトウェアについて、以下の条件を満たさない場合、行政監督上の措置対象となる恐れがあります。
◎ソフトウェアの機能
- 他人へのなりすまし等を防ぐため、画像加工機能がないもの
- 顧客等の容貌の撮影を行うソフトウェアと写真付き本人確認書類の撮影を行うソフトウェアが一体であること
- 本人確認書類の読み取りにあたり、撮影された本人確認書類と「厚み」を確認した当該本人確認書類とが、同一であることを保証する機能を有し、それが検証できることを担保する措置が講じられていること
- ソフトウェアの範囲:スマートフォン向けアプリなど、本人確認用画像情報の撮影および送信が、当該ソフトウェアを介して行われていること。FAX送信では、この条件を担保し難く、認められにくいという見解が示されてます。
- ソフトウェアの形式:WEBアプリ・クラウド形式でも差し支えない旨の見解が示されています。
顧客の容貌・本人確認書類の撮影にあたっては、以下の条件を担保しなければ、本人確認の不備として、事業者側の責任を問われる恐れがあります。
◎本人確認用画像情報のファイル形態、質
ファイル形態にはPDF等の指定はなく、顧客等の容貌や本人確認書類の撮影内容が十分に判別できれば問題ないとされています。なお、上記趣旨から、静止画・動画(撮影時間の長さや音声の制限なし)も可とされています。ただし、白黒画像や解像度の荒いものは不可とされています。
◎本人確認用画像情報の「撮影」および「送信」
事業者が提供するソフトウェアによる「撮影」および「送信」は、本人特定事項の確認時に行われるものに限られます。よって、事前に撮影したデータや、撮影後の手続きを中断した場合などについては、当該データを利用することはできません。
事前撮影データの使用を防ぐ方法として、ランダムな数字等を顧客等に示し、一定時間内に、当該数字等を記載した紙と一緒に容貌等を撮影させ、直ちに送信を受けることが有効と考えられています。また、撮影は自身で行うことを原則としていますが、撮影ボタンを単に押すだけの場合は、第三者が関与しても差し支えないとされています。
顧客等の容貌については、上半身または首から上の顔画像でも可とし、全身を撮影する必要はありません。眼鏡・マスク等の着用の際は、的確に本人特定事項の確認が可能と認められる合理的な方法を取る必要があります。
◎本人確認書類の撮影
本人確認書類の撮影を行う際の「厚みその他の特徴」を確認させる趣旨は、外形・構造・機能等の特徴から、当該本人確認書類の真正性の確認を行うことです。従って、必ずしも「何ミリ」という数値基準による計測を義務付けるわけではありません。
また、運転免許証など、変更事項が裏面に記載される書類については、変更後の住居を確認するため、裏面の撮影も必要になると考えられています。